ロードショーとサブスクのハイブリッド、について

セールスポイント

前回、シネマリスさんがロードショーとサブスクのハイブリッド型を目指しているようと書きましたが、これはシステム的に難易度が高いです。ここでのサブスクが「有料会員は見放題」という意味合いであれば、入れ替え制の座席販売型オンライン予約と同居させるのが厳しいです。
まずはオンライン予約を内包したシステムに有料会員と無料会員の区別があることが必須で、もちろん会費の支払いもオンラインで出来るべきでしょう。オンラインだけで[新規会員登録=>有料会員(会費支払い)=>見放題で座席予約]ができなければ、サービスとして新しくないからです。
既存のミニシアターでも、基本は座席販売型ですが「年会員になると1年間のうち〜本がタダで鑑賞できる」というのはありますが、これは来館して窓口で座席選択の際にこの権利を使って無料にする、という方式です。いわば無料鑑賞券を配布しているだけで、この方式はサブスク型ではないですよね。見放題ではないし。

トリッキーな方法ですが、オンライン予約は会員のみとして、座席予約はすべて0円とする荒っぽいやり方があります。会員制度には無料はなく、すべて有料会員orゲストという区分にし、窓口での入会&会費支払いに絞ってしまえば、オンライン予約で座席選択ができる見放題は達成できます。有料会員になった方のみログインでき、座席選択以降に決済を伴わないので決済代行会社との契約も不要です。これはギンレイホールさんにオンライン導入をしていただくためのアイデアとして考えたことがある方法です。
ただ、シネマリスさんが目標として「ロードショーとサブスクのハイブリッド型」を掲げている以上、オンライン予約では座席販売もしなくてはいけませんよね。

そうなるとオンライン予約には、通常のチケット販売と0円決済が同居することになります。「そんなの[1800円]や[1100円]のチケット種別に[0円]を追加すりゃいいじゃん」と思う方も多いでしょうが、決済を伴うシステムというのは決済要求やそのリターンをもってして予約完了までのシークエンスが進みます。決済代行会社は0円での決済処理に対応していないことがほとんですし、たとえ0円であっても決済代行会社のプラットフォームに決済要求を出したら決済処理料はかかります。結果的に、0円決済と通常のチケット販売の仕組みを両方備えているシステムでないとダメなわけです。
また、オンラインシステム上でしっかりと無料と有料の会員ステータスの違いに連動していなければなりません。無料会員なのに0円決済であるサブスク鑑賞が選択できてはいけないですし、有料会員がログイン中には有料会員価格やサブスク鑑賞のみがチケット選択に出るように制御されている必要があります。これはそこそこメンドいです。有人窓口側のPOSレジとも連動してないといけませんしね。

シアターパスであればどうってことなくシステムで対応できますが、他の映画館向けシステムではどうでしょう…うーん、ちょっと根拠のないことは書けませんが、難しいと思います。

ここからは勝手な妄想ですが、

(1)シンプル限定的なプラン
オンライン予約が利用できるのは有料会員のみ。オンラインでアカウントを作成すると座席の混雑具合までは見られるが、座席の購入はできない。オンラインで会費支払いを行うと座席購入(予約)まですすめて、予約は0円決済を利用して行われる。実質、有料会員期間中は見放題で座席予約もできる。ただし、購入座席は1上映回につき1枚とするなどのルールを設ける必要がある。

(2)区分できっばり分けるプラン
無料会員と有料会員の区分に分け、無料会員は座席購入だが有料会員は見放題とする。チケット種別に「サブスク見放題(0円)」を作っておき、これを有料会員限定とすることで、有料会員になれば必然的にすべての座席購入が0円決済となる。こちらも1上映回に1枚などのルール設定は必要。

(3)上映回や座席で分ける面倒くさいプラン
無料会員と有料会員の区分に分け、いずれも座席購入ができるものとする。有料会員には有料会員価格のチケット種別を用意しておき、割安で座席購入ができる。有料会員向けに「サブスク見放題(0円)」も作っておくが、このチケット種別をセットする上映回を限定的にする。たとえば上映開始日から1週間は座席販売のみとし、2週目からは有料会員用のチケット種別はサブスク見放題にする。
また、会員区分ごとに販売開始日を設定することができる機能を利用し、あえて無料会員から先行で販売開始し、1日遅れで有料会員向け販売(サブスク見放題のみ)を開始するというやり方も可能。
これまた同じように、座席単位で販売開始日が設定できることを利用し、ちょっと悪めの鑑賞位置になる座席を1日遅れでサブスク見放題座席として有料会員向けに販売開始。

といったような想定が湧いてきます。

ま、実際にシアターパス内にシネマリスさんのアカウントをつくってテストしてみるのが手っ取り早いですけどね!

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